無線周波(RF)電磁界がヒトの覚醒時の脳電図(EEG)に及ぼすかも知れない影響についての研究の結果は極めて不均一で、携帯電話に関連した異なる信号にばく露された被験者のアルファ帯域における変化が多くの研究で認められている一方、影響が何ら認められなかった研究もある。このレビュー論文は、こうした不一致の理由として考えられるものを提示し、今後の研究について勧告している。著者らは、脳の活動の根底にある生理学的基礎、ならびにヒトの安静状態のEEGの分析のための技術的要求事項及び枠組み条件について論じている。電磁界が覚醒時EEGに及ぼすかも知れない影響についての査読付き論文を、非ばく露関連の交絡因子について評価した。今後の研究を比較可能なものとするため、知見の分析及び報告についての国際的なガイドラインから導出された勧告を提案している。RF電磁界がヒトの安静状態のEEGに及ぼすかも知れない影響についての合計22報の査読付き研究を分析した。そのうち10報がアルファ帯域のEEGパワー上昇、4報がパワー低下、8報が影響なしを報告した。レビューした論文は全て方法論が異なり、そのことが、ヒトの安静状態のEEGに対する電磁界のインパクトについての異なる結果と結論に寄与したかも知れない、と著者らは結論付けている。また、今後の研究では比較可能な標準的研究プロトコルを適用することを推奨している。
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