無線周波（RF）信号へのばく露は覚醒時の脳電図（EEG）を変調させ、その主な影響はアルファ帯域（8-13 Hz）の周波数に対するものであることが、先行研究で示されている。但し、アルファ帯域のEEGパワーの上昇の報告もあれば、低下の報告も、影響なしの報告もある。アルファ帯域の振幅の変化は、注意力やヒトの行動の認知における何らかの側面と関連していることから、アルファ帯域のリズムがRF電磁界ばく露下で変調されるかどうかに注目する必要があるとみなされてきた。このレビュー論文は、これまでの研究で観察された不一致や決定的ではない結果を説明し得る、研究間のプロトコルの違いに着目して、ヒトの覚醒時の自発的EEGのアルファ帯域のリズムに対する、RF電磁界の影響についてのこれまでの主な知見を比較し、検討することを目的としている。
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