[2450 MHz電磁放射の長期ばく露はラットにストレス及び不安様行動を生じる] med./bio.

Long-term exposure of 2450 MHz electromagnetic radiation induces stress and anxiety like behavior in rats

掲載誌: Neurochem Int 2019; 128: 1-13

この研究は、雄ラットを900、1800及び2450 MHzの電磁放射(EMR)に1時間/日、28日間ばく露し、ストレス及び不安行動への影響を調べた。その結果、2450 MHzへの長期ばく露不安行動を生じた。EMRばく露ラット視床下部下垂体副腎(HPA)軸の調節を解除した。これはコルチコステロン血漿レベルの上昇として観察され、これとは別に、扁桃体におけるコルチコトロピン放出ホルモン-2(CRH-2)及びグルココルチコイド受容体(GR)発現の低下も認められた。更に、EMRばく露ミトコンドリアの機能及び健全性も低下させた。ミトコンドリアではBcl2の発現は有意に低下したが、Bax及びBax:Bcl2の比率は上昇し、細胞質では逆に低下し、アポトーシスの制御の変化が示された。EMRばく露はチトクローム-Cの放出及びカスパーゼ-9の発現を生じ、アポトーシス細胞死の活性化が継続した。細胞死のパターンを推定するために実施した追加実験では、EMRばく露後に扁桃体のネクローシス(壊死)性及びアポトーシス細胞死が認められた。組織病理学的研究でも、扁桃体でのネクローシス細胞の有意な減少が見られた。これらの知見は、2450 MHzのEMRへの長期ばく露ラットに対してストレス要因として作用し、不安行動とそれに伴う病態生理学的変化を生じることを示している、と著者らは結論付けている。

ばく露