この研究は、雄ラットを900、1800及び2450 MHzの電磁放射(EMR)に1時間/日、28日間ばく露し、ストレス及び不安様行動への影響を調べた。その結果、2450 MHzへの長期ばく露は不安様行動を生じた。EMRばく露はラットの視床下部‐下垂体‐副腎(HPA)軸の調節を解除した。これはコルチコステロンの血漿レベルの上昇として観察され、これとは別に、扁桃体におけるコルチコトロピン放出ホルモン-2(CRH-2)及びグルココルチコイド受容体(GR)発現の低下も認められた。更に、EMRばく露はミトコンドリアの機能及び健全性も低下させた。ミトコンドリアではBcl2の発現は有意に低下したが、Bax及びBax:Bcl2の比率は上昇し、細胞質では逆に低下し、アポトーシスの制御の変化が示された。EMRばく露はチトクローム-Cの放出及びカスパーゼ-9の発現を生じ、アポトーシス性細胞死の活性化が継続した。細胞死のパターンを推定するために実施した追加実験では、EMRばく露後に扁桃体のネクローシス(壊死)性及びアポトーシス性細胞死が認められた。組織病理学的研究でも、扁桃体でのネクローシス細胞の有意な減少が見られた。これらの知見は、2450 MHzのEMRへの長期ばく露がラットに対してストレス要因として作用し、不安様行動とそれに伴う病態生理学的変化を生じることを示している、と著者らは結論付けている。
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