超低周波(ELF)パルス化電磁界は多数の細胞及び分子プロセスに影響力を及ぼすことが知られている。網膜色素上皮(RPE)細胞は複数の眼障害の発生及び病態生理学(血管新生等)の重要な一部である。この研究は、RPE細胞の血管新生促進機能に対するELFパルス化電磁界の影響を調べた。初代培養RPE細胞を、ELFパルス化電磁界(パルス繰り返し数50 Hz、1 mT)に8時間/日、3日間ばく露した。ELISAアッセイを用いて、RPE細胞の増殖及びアポトーシスに対するばく露の影響を評価した。また、RT-PCRを用いて、組織血管新生促成因子(マトリックスメタロプロテイナーゼ-2(MMP-2)、MMP-9、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR-2)、低酸素誘導因子1(HIF-1α)、血管内皮増殖因子A(VEGFA)、カテプシンD、結合組織増殖因子(CTGF)、E2F3、メタロプロテイナーゼ組織阻害剤1(TIMP-1)及び2(TIMP-2)等)の遺伝子発現を判定した。その結果、ELFパルス化電磁界にばく露したRPE細胞では、細胞増殖及び細胞死の顕著な変化は認められなかったが、血管新生促進遺伝子(HIF-1α、VEGFA、VEGFR-2、CTGF、カテプシンD、TIMP-1、E2F3、MMP-2及びMMP-9)の転写レベルは有意に上昇した、と著者らは報告している。
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