[大腸菌に対する静磁界及び亜鉛同位体の生物学的影響] med./bio.

Biological effects of static magnetic fields and zinc isotopes on E. coli bacteria

掲載誌: Bioelectromagnetics 2019; 40 (1): 62-73

静磁界及び磁性同位体に対する細胞内酵素系の感受性が、イン・ビトロ及びイン・ビボで示されている。これらの影響は、酵素反応のスピン依存性の磁気感知ステージによって決定される。この研究は、大腸菌細胞内プロセスに対する静磁界亜鉛の磁性同位体Zn-67との複合作用をイン・ビボで調べた。その結果、亜鉛の非磁性同位体Zn-64、Zn-66と比較して、Zn-67と静磁界(25-35 mT)の複合作用は、コロニー形成能力及び成長速度定数を2-4倍に高めた。倍地中の亜鉛同位体の含量に係らず、全ての大腸菌で2.2-8 mTの範囲の静磁界の影響が検出された。磁性同位体と2.2-4.2 mTの範囲の静磁界のある培地では、大腸菌のATP[アデノシン三リン酸]濃度の上昇が認められた。大腸菌の主な元素(Na、K、Ca、Mg、P、Zn)代謝は、静磁界の強度及び亜鉛同位体に依存していた。これらのデータから、静磁界及び原子核の磁気モーメントに対して敏感な細胞内酵素プロセスの存在が確認された、と著者らは結論付けている。

ばく露