この論文は、生殖系に対する電磁界の影響を、活性酸素種(ROS)の主な供給源としてのミトコンドリアの役割に照らしてレビューした。MEDLINE、Web of Science、Scopusデータベースで、"extremely low frequency electromagnetic fields (ELF-EMFs)"、"radiofrequency (RF)"、"microwaves"、"Wi-Fi"、"mobile phone"、"oxidative stress"、"mitochondria"、"fertility"、"sperm"、"testis"、"oocyte"、"ovarian follicle"、"embryo" のキーワードと、関連するフレーズを組合わせて、該当する査読付き原著論文を検索した。その結果、実験デザインの一様性の欠如のため、一貫性のないデータが報告されたものの、大部分の証拠では、精子形成中の電磁界ばく露が、ROSスカヴェンジング活性の低下に関連したROS産生の増加を生じることが示唆された。多くの研究で、携帯電話、ノートPC、及びその他の電子機器からの電磁界が精子の質に及ぼす悪影響が認められ、電磁界による損傷の主な原因としてのミトコンドリア電子伝達系からの電子の大規模漏洩の証拠が示された。雌性の生殖系についても、電磁界による損傷に対する酸化ストレスの寄与、及びミトコンドリア由来のROSの過剰産生の証拠が報告されていた。ミトコンドリアは電磁界ばく露下での雌性及び雄性の生殖系においてROSの発生源としての重要な役割を担っているようであり、生殖系に対する電磁界の潜在的影響の根底にある分子機序のより良い理解のため、標準化された更なる研究が必要である、と著者らは結論付けている。
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