神経膠芽腫は悪性の脳腫瘍で、最も予後不良なものの一つである。有害な環境要因がその攻撃性に影響力を及ぼしうるかどうかは不明である。先行研究では、携帯電話のヘビーユーザーの脳腫瘍患者は生存率が低いということが示唆されている。この研究は、携帯電話のヘビーユーズに相当する無線周波(RF)電磁界への脳平均の比吸収率(BASAR)が、Wiatarラットのイン・ビボC6脳腫瘍に対する影響を調べた。C6細胞を移植した雄ラットを、BASARが0(擬似ばく露)、0.25または0.5 W/kgのGSM 900 MHz信号に5日間/週、45分間/日、拘束状態でばく露した。死亡時に、腫瘍の体積、ならびにCD31、切断カスパーゼ(CC)3及びKi67についての免疫組織化学を評価し、血管新生、アポトーシス及び細胞分裂をそれぞれ調べた。更に、免疫細胞の浸潤、壊死、有糸分裂指標を判定した。その結果、生存率(移植後31日目)、腫瘍の体積、有糸分裂指標、血管新生、浸潤、絵師または細胞分裂に対するBASARの影響は認められなかった。但し、BASARに依存した免疫細胞の浸潤及びアポトーシスの低下が示唆された。これらのデータは、免疫細胞の浸潤及び神経膠芽腫細胞のアポトーシスの低下によるRF電磁界の作用は、生存率にインパクトを及ぼすにはおそらく弱すぎることを示唆するものである、と著者らは結論付けている。
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