この研究は、雄の生殖系に対する無線周波(RF)電磁放射の影響を調べるため、マウス培養精原細胞株GC1及び精母細胞株GC2、ならびに精巣上体尾部精子を、連続波RF電磁放射(1.8 GHz、0.15及び1.5 W/kg)を発生させる導波管にばく露した。その結果、4時間ばく露にはGC1(7 vs. 18%、p < 0.001)及びGC2(11.5 vs. 16 %、p < 0.01)細胞にミトコンドリア活性酸素種を生じる能力があり、電子輸送系複合体IIIがROSを生じる電子の潜在的発生源であることが同定された。抗酸化剤、ペニシラミンの存在下でのROSの発生の評価、ならびに4-ヒドロキシノネナールを介した脂質過酸化の測定から、ばく露条件下で認められたROS発生の増加は、明白な細胞酸化ストレス応答を必ずしも生じない、ということが示された。但し、0.15 W/kgのRF電磁放射への3時間のばく露は、アルカリ・コメットアッセイによる評価で、精子に有意なDNA断片化(p < 0.05)を生じた(4時間後には有意ではなかった)。更に、この断片化は、8-ヒドロキシ-2'-デオキシグアノシンの形の酸化的DNA損傷の誘導を伴い、これはRF電磁放射に4時間ばく露後の精子で有意であった(p < 0.05)。このばく露の時点では、精子の運動性の低下(p < 0.05)も認められた、と著者らは報告している。
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