[健康なボランティアにおける腹骨盤の1.5-T及び3.0-T MR画像撮影:DNA二本差切断の形成との関連] med./bio.

Abdominopelvic 1.5-T and 3.0-T MR Imaging in Healthy Volunteers: Relationship to Formation of DNA Double-Strand Breaks

掲載誌: Radiology 2018; 288 (2): 529-535

この研究は、腹骨盤磁気共鳴(MR)画像撮影と末梢血リンパ球のDNA二本差切断(DSB)との関連を、健康なボランティアのコホートで調べた。健康なボランティア40人(男性17人、女性23人、平均年齢27.2歳(21-37歳))から、1.5 T(n = 20)または3.0 T(n = 20)で実施した腹骨盤のMR画像撮影の直前、5分後及び30分後に血液サンプルを採取した。抽出した血液リンパ球におけるDNAのDSBの数を、一般的に受け入れられているDSBマーカーであるγ-H2AXの間接的な免疫傾向染色後に、ハイスループット自動顕微鏡検査で定量化した。DSB誘導陽性対照として、6人のボランティアから採取した血液リンパ球に1 Gy(70-90 keV)のエックス線をイン・ビトロで照射した。フリードマン試験を用いて統計的分析を実施した。その結果、MR画像撮影後のDNAのDSB誘導頻度に有意な変化は認められなかった(撮影前:細胞あたりのフォーカス数0.22、細胞あたりのフォーカスの四分位数範囲(IQR)= 0.54;撮影の5分後:0.08、IQR = 0.39;撮影の30分後:0.09、IQR = 0.63;P = 0.057)。1 Gyのイン・ビトロ照射ではDSBが有意に増加した(細胞あたりのフォーカス数は0.22に対して3.43;P = 0.0312)。DSBの発生頻度は1.5 Tと3.0 Tで変わらなかった(撮影の5分後:細胞あたりのフォーカス数は0.23に対して0.06(P = 0.57);撮影の30分後:0.12に対して0.08(P = 0.76))、と著者らは報告している。

ばく露