この研究は、雌ラットの出生前の複合ストレス(磁界の作用、集団内の社会的ストレス、妊娠した雌の不動性を含む)が、仔の学習及び記憶に及ぼす影響を調べた。雌雄のラット2群(各n = 16)に対し、出生前(妊娠8-18日目)に3つのストレス(妊娠した雌の不動化(拘束具で固定、0.5時間×2回/日)、社会的ストレス(小さなケージに6匹を入れる)、磁界ばく露(0.5 mT、50 Hz、4時間))を与えた。仔ラットが生後2か月目(訓練後2、6、24、48時間、1週間、2週間のインターバル)に、条件付き回避法を用いて学習及び記憶能力を評価した。また、RT-PCRを用いてラットのAPP[アミロイド前駆タンパク質]遺伝子の発現を調べた。その結果、対照群と比較して、出生前のストレスは雄の仔ラットの暗い区画での滞在を抑制し、その差はストレスの2時間後で有意であった(P < 0.05)。これらのパラメータは雌の仔ラットでも低下したが、その差は有意ではなかった(P > 0.05)。APP遺伝子の発現は、雌雄の仔ラットで高かった(それぞれP < 0.05、P < 0.01)。出生前の複合ストレスは、雌雄の仔の長期的な記憶の獲得プロセスを損ない、β-アミロイド斑の沈着を促進する可能性がある、と著者らは結論付けている
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。