[ラットの受動的回避の学習及び記憶に対する出生前の複合ストレスの影響] med./bio.

Effects of Prenatal Combined Stress on Passive Avoidance Learning and Memory in Rats

掲載誌: Neurophysiology 2018; 50 (2): 116–123

この研究は、雌ラット出生前の複合ストレス磁界の作用、集団内の社会的ストレス妊娠した雌の不動性を含む)が、仔の学習及び記憶に及ぼす影響を調べた。雌雄のラット2群(各n = 16)に対し、出生前(妊娠8-18日目)に3つのストレス妊娠した雌の不動化(拘束具で固定、0.5時間×2回/日)、社会的ストレス(小さなケージに6匹を入れる)、磁界ばく露(0.5 mT、50 Hz、4時間))を与えた。仔ラットが生後2か月目(訓練後2、6、24、48時間、1週間、2週間のインターバル)に、条件付き回避法を用いて学習及び記憶能力を評価した。また、RT-PCRを用いてラットのAPP[アミロイド前駆タンパク質遺伝子発現を調べた。その結果、対照群と比較して、出生前のストレスは雄の仔ラットの暗い区画での滞在を抑制し、その差はストレスの2時間後で有意であった(P < 0.05)。これらのパラメータは雌の仔ラットでも低下したが、その差は有意ではなかった(P > 0.05)。APP遺伝子発現は、雌雄の仔ラットで高かった(それぞれP < 0.05、P < 0.01)。出生前の複合ストレスは、雌雄の仔の長期的な記憶の獲得プロセスを損ない、β-アミロイド斑の沈着を促進する可能性がある、と著者らは結論付けている

ばく露