[短期的な2.1 GHz無線周波放射での処理は成獣ラットの聴覚誘発電位に有意な変化を生じる] med./bio.

Short-term 2.1 GHz radiofrequency radiation treatment induces significant changes on the auditory evoked potentials in adult rats

掲載誌: Int J Radiat Biol 2018; 94 (9): 858-871

この研究は、脳波振動に対する無線周波RF放射の影響を、ラットの脳の異なる領域での聴覚反応を測定することで調べた。ラットを無作為にケージ対照群、疑似ばく露群、ばく露群(2.1 GHz RF、2時間/日、7日間)に割付けた(各群n = 12)。ばく露終了時、異なる部位で聴覚誘発電位AEP)を記録した。聴覚刺激に対する、AEPの潜時及び振幅誘発電力、試行間の位相同期、聴覚誘発ガンマ反応を取得した。更に、全ての群で、チオバルビツール酸反応性物質(TBARS)のレベル、ならびに4-ヒドロキシ-2-ノネナール(4-HNE)、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、誘導型一酸化窒素合成酵素iNOS)及び神経一酸化窒素合成酵素(nNOS)の発現を評価した。その結果、ばく露群では疑似ばく露群と比較して、AEPピーク‐ピーク間の振幅が有意に大きかった。群間でAEPのピーク潜時に有意差はなかった。また、ばく露群では疑似ばく露群と比較して、誘発電力、試行間の位相同期、聴覚誘発ガンマ反応が有意に高かった。更に、ばく露群では疑似ばく露群と比較して、TBARS及び4-HNEのレベルが有意に低かった。GFAP、nNOS及びiNOSのレベルには群間で有意差はなかった。これらの結果は、この研究における実験条件下での短期的なRFばく露には、おそらく酸化損傷を低減することで、ラット神経ネットワークに対する有意な影響を及ぼすことを示唆している、と著者らは結論付けている。

ばく露