この研究は、脳波振動に対する無線周波(RF)放射の影響を、ラットの脳の異なる領域での聴覚反応を測定することで調べた。ラットを無作為にケージ対照群、疑似ばく露群、ばく露群(2.1 GHz RF、2時間/日、7日間)に割付けた(各群n = 12)。ばく露終了時、異なる部位で聴覚誘発電位(AEP)を記録した。聴覚刺激に対する、AEPの潜時及び振幅、誘発電力、試行間の位相同期、聴覚誘発ガンマ反応を取得した。更に、全ての群で、チオバルビツール酸反応性物質(TBARS)のレベル、ならびに4-ヒドロキシ-2-ノネナール(4-HNE)、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)及び神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)の発現を評価した。その結果、ばく露群では疑似ばく露群と比較して、AEPピーク‐ピーク間の振幅が有意に大きかった。群間でAEPのピーク潜時に有意差はなかった。また、ばく露群では疑似ばく露群と比較して、誘発電力、試行間の位相同期、聴覚誘発ガンマ反応が有意に高かった。更に、ばく露群では疑似ばく露群と比較して、TBARS及び4-HNEのレベルが有意に低かった。GFAP、nNOS及びiNOSのレベルには群間で有意差はなかった。これらの結果は、この研究における実験条件下での短期的なRFばく露には、おそらく酸化的損傷を低減することで、ラットの神経ネットワークに対する有意な影響を及ぼすことを示唆している、と著者らは結論付けている。
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