この研究は、連続的な2.45 GHz電磁放射(EMR)へのばく露が、ラットの卵巣、卵管及び子宮組織における生理病理学的または形態学的変化を生じるか、また、ビタミンC投与がこれらの影響を軽減するかどうかどうかを調べた。雌のSprague-Dawleyラット18匹を、疑似ばく露群、EMRばく露群(1時間/日、30日間)、EMRばく露+ビタミンC投与群(1時間/日、30日間+250 mg/kg/日)に6匹ずつ無作為に割付けた。その結果、EMRばく露群の卵巣組織では、総酸化状態(TOS)及び酸化ストレス指標(OSI)レベルが上昇した(それぞれp = 0.011及びp = 0.002)。ビタミンC投与群の卵巣、卵管及び子宮組織では、全ての組織でTOS及びOSIレベルが有意に低下した(p < 0.05)。EMRばく露群では抗ミュラー管ホルモンのレベルが有意に上昇し(p < 0.05)、ビタミンC投与群では低下した。EMRばく露群におけるエストロゲンのレベルは変化せず、差は統計的に有意ではなかった。卵巣の免疫組織化学検査では、EMRばく露群の上皮細胞においてカスパーゼ-3発現の有意な増加が認められた(p < 0.05)。EMRばく露群では子宮組織の充血が認められた。また、EMRばく露群ではカスパーゼ-3及びカスパーゼ-8の有意な増加が認められた(p < 0.001)。ビタミンC投与群では卵巣及び子宮組織でカスパーゼ-3が有意に減少した(p < 0.05)。カスパーゼ-8は子宮組織の実で有意に減少した(p < 0.05)。これらの結果は、長期的なEMRばく露は酸化的損傷により卵巣、卵管及び子宮組織に生理病理学的変化を生じること、また、ビタミンCは雌性の生殖系への酸化的損傷に対して防護作用を有する可能性があることを示している、と著者らは結論付けている。
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