この研究は、C57BL/6マウス(雄、4週齢)の大腿骨の微細構造及び代謝に対する、1.8 GHzの無線周波(RF)電磁界への全身ばく露(比吸収率(SAR)2.70及び1.14 W/kg、6時間/日、28日間)の影響を調査した。ばく露後の大腿骨の微細構造及び形態を、マイクロコンピュータ断層撮影(マイクロCT)、ヘマトキシリン・エオシン染色及びマッソン染色で観察した。その後、構造モデルインデックス、骨密度、小注骨体積/総体積、結合密度、小注数、小注厚さ、小注分離等の骨のパラメータを、再構成画像から直接計算した。血清総アルカリホスファターゼ(ALP)、骨型アルカリホスファターゼ(BALP)、酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ5b(TRACP-5b)等、骨の代謝を反映するバイオマーカーを、生化学アッセイで判定した。マイクロCT及び組織学的検査の結果、疑似ばく露群と比較して、ばく露群の骨の微細構造及び上述のパラメータに有意な変化は認められなかった。ばく露群の血清ALP及びBALPの活性は、疑似ばく露群と比較して、それぞれ29.47%及び16.82%上昇した(P < 0.05)。ばく露群と疑似ばく露群で血清TRACP-5bの活性に有意差は認められなかった。この実験条件下では、骨の微細構造に対する1.8 GHzのRFばく露の影響を支持する証拠は認められなかったが、RFばく露はマウスの骨芽細胞の代謝機能を促進するかも知れない、と著者らは結論付けている。
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