研究のタイプ: 疫学研究 (exposure assessment/dosimetric study)

[ELF磁界への溶接工とメタル作業員のばく露] tech./dosim.

Exposure of welders and other metal workers to ELF magnetic fields

掲載誌: Bioelectromagnetics 1997; 18 (7): 470-477

この研究は、溶接工及び他の金属作業員の超低周波(ELF)磁界へのばく露を評価し、違った溶接プロセスにおけるばく露と比較することである。ELF磁界ばく露は、金属作業員の全国的なコホートから選出された50人名の作業員と造船所に勤務するフルタイム溶接工から作為的に選出された15名で測定した。測定は携帯用ばく露量計で行い、金属作業員では就労3日間、造船溶接工は就労1日間、行った。ELF磁界の広いダイナミックレンジを記録するため、測定は「高・低」一対の携帯ばく露量計で行われた。溶接機器近傍の固定場所における静磁界を追加的に測定し、これはホール効果磁束計で行った。測定の合計は1273時間である。金属作業員は全体の5.8%を溶接加工に費やし、ELF磁界への時間平均ばく露平均値は0.18μTであった。溶接時間の80%に、直流金属の不活性ガス、または活性ガスによる溶接(MIG/MAG)を費やし、10%は交流の手動式アーク溶接が使用された。造船の溶接工は全体の56%を溶接加工に費やし、ELF磁界の時間平均ばく露量の平均値と最大値は、それぞれ4.70μTと27.5μTであった。シフト勤務溶接工は、作業日の時間平均値は、MMA溶接工で21.2μT、MIG/MAG溶接工で2.3μTであった。溶接時の実働時間における平均ばく露量はMMA溶接加工で65μT、MIG/MAG溶接加工で7μTと推定される。1μTを超えるばく露時間は、溶接の実働時間を測定する上で有効であることが分かった。溶接プロセス、及び溶接の実働時間に依存して、溶接工での異なるグループ間で、ELF磁界ばく露量に大きな差があることが分かった。MMA(AC)溶接はMIG/MAG(DC)溶接に比べて、ELF磁界ばく露量が約10倍になっている。静磁界の測定結果は、MIG/MAG(DC)溶接での静磁界とELF磁界の合計ばく露量と、MMA(AC)溶接のELF磁界ばく露量がほぼ等しいレベルであることが示唆される。

ばく露

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