この研究は、900 MHz電磁界にばく露した中期および後期性成熟期のラットの卵巣における変化を、組織学的および生化学的手法を用いて評価した。34日齢の雌のSprague-Dawleyラット24匹を、対照群、疑似ばく露群およびばく露群に均等に割付けた。ばく露群は900 MHz電磁界に1時間/日、生後35日目から59日目までケージ内でばく露した。疑似ばく露群は生後35日目から59日目までばく露なしでケージ内に留めた。ばく露期間終了後、卵巣を摘出し、血液検体を採取した。右側の卵巣組織は通常の組織学的手順で調べ、ヘマトキシリンおよびエオシン、過ヨウ素酸ならびにマッソントリクロームで染色した。ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した卵巣切片中の卵胞を計数した。TUNEL法を用いてアポトーシスを評価した。左側の卵巣組織および血液検体は生化学的に調べた。その結果、ばく露群の卵巣組織の組織病理学的検査では、帯状顆粒膜および卵胞膜層の薄化、顆粒状細胞の縮退、有糸分裂活性の低下ならびに卵胞および間質における白血球の浸潤が認められた。ばく露群の二次卵胞数は他の群よりも有意に減少した。生化学的手法では、ばく露群および疑似ばく露群のスーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼおよび抗ミュラー管ホルモンレベル、ならびにばく露群の3-ニトロチロシンの値が、対照群と比較して有意に上昇した。ばく露群および疑似ばく露群の血清カタラーゼおよび8-ヒドロキシ‐デオキシグアノシンの値が対照群と比較して有意に上昇し、ばく露群の総酸化状態および酸化ストレス指標の値が疑似ばく露群および対照群と比較して有意に高かった。著者らは、中期および後期性成熟期のラットに適用した900 MHz電磁界は、卵巣の形態および生化学に変化を生じるかも知れない、と結論付けている。
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