<目的>赤血球沈降・凝集現象に対する磁界効果を明らかにすることを目的とした。 <方法>ヒト血液から赤血球を精製し、沈降チューブ(標準Westergren法)により赤血球沈降速度(ESR)を測定した。赤血球に磁気力が作用することによるBoycott効果を防ぐため、血漿の曝露は6.3Tの均一定常磁界下にて行った。また、実験は295Kにて行った。磁界曝露による形態変化を調べるため、磁界中でゼラチンにて固定した赤血球の観察を磁界外で行った。 <結果および結論>ヘマトクリット値の増加とともに血球沈降速度(ESR)は増加した。生理食塩水中では、赤血球沈降速度は磁界中で最大10~15%程度増加した。しかし、ヘマトクリットの増加により磁界効果は減少した。一方、血漿中では高ヘマトクリットにおいて、赤血球沈降速度は6.3Tにて著しく増加した。赤血球沈降速度に影響を与える主な磁界依存性因子として、赤血球の磁界配向と赤血球凝集の磁界依存性が考えられる。
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