研究のタイプ: サーベイ (医学/生物学の研究)

[ELF磁界および熱への細胞の応答:熱ショックタンパク質の共通した関与の証拠] review

Cellular Response to ELF-MF and Heat: Evidence for a Common Involvement of Heat Shock Proteins?

掲載誌: Front Public Health 2017; 5: 280

超低周波(ELF)磁界は、神経および筋細胞刺激を生じるよりも低い磁束密度で、各種のイン・ビボおよびイン・ビトロ系でストレッサーとして作用し得ることが示されている。熱を含む様々な生理学的要因および環境要因に対し、細胞は、洗練された防御機構を発揮する熱ショックタンパク質HSP)の一過性の発現につながる、古くからのシグナル伝達経路を活性化させる。ELF磁界ばく露細胞のストレス応答を活性化し、mRNAおよびタンパク質レベルの両方で、HSP発現を増加させ得ることも、幾つかの研究で示唆されている。このレビュー論文は、ELF磁界および熱への単独および複合ばく露による、細胞応答、特にHSP発現に関して、誘導される影響を比較し、可能性のある一般的な作用モードを検出することを目的として、現在入手可能なデータを幾つか提示している。磁界と熱は、培養細胞および臓器において一種の熱耐性を生じる共同ストレッサーとして作用し得ることが、幾つかの証拠から示唆されている;磁界ばく露は、充分に定義されたストレスとの組合せで、HSP発現の増加等の生物学的応答の増強または相乗効果を生じるかも知れず、同時に特定の状況では有益な効果を生じるかも知れない、と著者らは述べている。

影響評価項目

ばく露