マイクロ波放射は、ラットのセルトリ細胞において前炎症性サイトカインの発現を高め得るが、これは精子形成を阻害するかも知れない。但し、マイクロ波放射がセルトリ細胞においてサイトカインを誘導する機序は依然として不明である。リガンドによるTLRの活性化が、IL-1、IL-6、IL-12およびTNF-α等の炎症性サイトカインを上方制御する一般的なシグナル伝達経路のトリガとなり得る。マイクロ波放射はリンパ球においてTLRの発現を増加させ得る。この研究は、ラットの精巣のTLRに対するマイクロ波放射の影響を判断することを目的とした。その結果、TLR2-5および前炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-6およびTNF-α)の発現が、mRNAおよびタンパク質の両方で増加することが示された。更に、TLRシグナル伝達の重要な因子であるp-p38、p-ERK1/2、p-JNKおよびp-NF-κB p65も、マイクロ波ばく露によって増加した。NF-κBがより支配的に誘導された。著者らは、これらの結果は、精巣におけるTLRシグナル伝達がマイクロ波放射によって活性化され得ることを示唆している、と結論付けている。
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