[TLRシグナル伝達の活性化はラットの精巣でのマイクロ波放射が介在する精子形成の障害を抑制する] med./bio.

Activation of TLR signalling regulates microwave radiation-mediated impairment of spermatogenesis in rat testis

掲載誌: Andrologia 2018; 50 (1): e12828

マイクロ波放射は、ラットセルトリ細胞において前炎症サイトカイン発現を高め得るが、これは精子形成を阻害するかも知れない。但し、マイクロ波放射セルトリ細胞においてサイトカイン誘導する機序は依然として不明である。リガンドによるTLRの活性化が、IL-1、IL-6、IL-12およびTNF-α等の炎症サイトカイン上方制御する一般的なシグナル伝達経路のトリガとなり得る。マイクロ波放射リンパ球においてTLRの発現を増加させ得る。この研究は、ラット精巣のTLRに対するマイクロ波放射の影響を判断することを目的とした。その結果、TLR2-5および前炎症サイトカインIL-1β、IL-6およびTNF-α)の発現が、mRNAおよびタンパク質の両方で増加することが示された。更に、TLRシグナル伝達の重要な因子であるp-p38、p-ERK1/2、p-JNKおよびp-NF-κB p65も、マイクロ波ばく露によって増加した。NF-κBがより支配的に誘導された。著者らは、これらの結果は、精巣におけるTLRシグナル伝達がマイクロ波放射によって活性化され得ることを示唆している、と結論付けている。

ばく露