この研究は、携帯電話基地局から80 m以内の近隣住民(ばく露群)の培養ヒト抹消血リンパ球(HPBL)におけるDNA損傷および抗酸化状態に対する無線周波(RF)放射の影響を評価し、これを基地局から300 m以遠に住む健康な対照群と比較した。ばく露群と対照群は、年齢、性別、食事パターン、喫煙習慣、飲酒、携帯電話の使用期間、平均的な日常的使用を含む、各種の人口統計学的データについてマッチングした。ばく露群のRF電力密度は対照群よりも有意に高かった(p < 0.001)。HPBLを培養し、二核リンパ球において細胞質分裂ブロック小核アッセイでDNA損傷を評価した。ばく露群(n = 40)のデータの分析の結果、対照群と比較して、小核形成頻度の有意な上昇(p < 0.0001)が認められた。ばく露群の血漿中の各種の抗酸化物の分析の結果、対照群と比較して、グルタチオン(GSH)濃度(p < 0.01)、カタラーゼ(CAT)活性(p < 0.001)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)(p < 0.001)の有意な低下、ならびに脂質過酸化(LOO)の上昇が認められた。多重線形回帰分析では、GSH濃度(p < 0.05)、CAT(p < 0.001)およびSOD(p < 0.001)活性の低下、ならびに小核形成頻度(p < 0.001)およびLOO(p < 0.001)の上昇と、RF電力密度の増加との有意な関連が認められた、と著者らは報告している。
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