研究のタイプ: 医学/生物学の研究

[静磁界刺激は乏突起膠細胞の分化と神経栄養因子の分泌を強める] med./bio.

Static Magnetic Field Stimulation Enhances Oligodendrocyte Differentiation and Secretion of Neurotrophic Factors

掲載誌: Sci Rep 2017; 7: 6743

中枢神経系(CNS)の神経膠細胞に対する静磁界の影響はあまり調査されていないことから、この研究は、イン・ビトロでの静磁界刺激セットアップを開発し、乏突起膠細胞の分化および神経栄養因子の分泌に対する静磁界ばく露の影響を調査した。ヒト乏突起膠細胞前駆細胞(OPC)を中強度(0.3 T)の静磁界で2週間(2時間/日)刺激した。細胞活性マーカー(c-fos)、初期OPC(Olig1、Olig2. Sox10)、および成熟した乏突起膠細胞(CNP、MBP)の遺伝子発現を定量化した。静磁界刺激した乏突起膠細胞の髄鞘化能の増強を、後根神経節微小流体チャンバープラットフォームで検証した。加えて、遺伝子発現および神経栄養因子BDNFおよびNT3に対する静磁界の影響を定量化した。その結果、静磁界刺激がOPCにおいて細胞内カルシウム流入、ならびにL型チャネルサブユニットCaV1.2およびCaV1.3の遺伝子発現を増加させることが認められた。著者らは、この知見はOPC等の神経膠細胞が中強度の静磁界刺激に応答する能力を強調するものである、と結論付けている。

ばく露