この研究は、無線周波(RF)電磁界ばく露が骨髄間質細胞(BMSC)にポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)を誘導し得るかどうか、また、それがRFによる適応応答において役割を担っているかどうかを調べた。BMSCを電力密度が120 μW/cm^2の900 MHzのRFに3時間/日、5日間ばく露した後、遺伝毒性線量である1.5 Gyのガンマ線を照射した。一部の細胞は、PARP-1の強力な阻害剤である3-アミノベンザミド(3-AB、最終濃度2 mM)でも処理した。非ばく露対照群および偽ばく露対照群、ならびに陽性対照群(ガンマ線照射群)も実験に含めた。PARP-1 mRNA発現とそのタンパク質レベル、ならびにDNA単鎖切断とその修復動態を、ばく露後の複数の時点で評価した。その結果、(a) RFに単独ばく露した細胞では、偽ばく露群またはガンマ線単独照射群(陽性対照群)と比較して、PARP-1 mRNA発現とそのタンパク質レベルの有意な増加が認められた;(b) 3-ABで処理したRFばく露群では、PARP-1の増加が消失した;(c) RFばく露+ガンマ線照射群では、ガンマ線単独照射群(陽性対照群)と比較して、遺伝的損傷が有意に減少し、修復動態が加速した;(d) RFばく露+3-AB処理+ガンマ線照射群では、遺伝的損傷の減少は認められなかった。著者らは、これらのデータは全体として、RFばく露が適応応答において役割を担っているPARP-1を生じ得ることを示唆している、と結論付けている。
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