この論文は、神経膠腫のリスクと携帯電話またはコードレス電話の使用に関して、疫学および実験研究に基づき、関連性か因果関係かについてのブラッドフォード・ヒルの1965年の9つの判定基準を用いて評価した。その結果、「強固性」に関しては、症例対照研究のメタ分析から、最も高い累積ばく露についてオッズ比(OR)=1.90、95%信頼区間(CI)=1.31-2.76が得られた。「一貫性」に関しては、メタ分析から、潜伏期間が潜伏期間のグループについてOR=1.62、95%CI=1.20-2.19が得られた。「特異性」に関しては、神経膠腫のリスク上昇が側頭葉で認められた。比較対照群として髄膜腫の症例を用いても、リスク上昇が認められた。「時間性」に関しては、潜伏期間が20年超のグループに最も高いリスクが認められた。「量反応関係」に関しては、携帯電話およびコードレス電話の累積使用によるリスク上昇が認められた。「説得性」に関しては、無線周波(RF)放射にばく露されたラットでの神経膠腫および悪性神経鞘腫のリスク上昇が動物実験で認められた。RF放射によって活性酸素種(ROS)の産出が増加した。「整合性」に関しては、神経膠腫の発生率の上昇に変化が認められた。「実験的証拠」に関しては、抗酸化物質がRF放射によるROS産出を減少させた。「類似性」に関しては、超低周波(ELF)電磁界にばく露された被験者にリスク上昇が認められた。著者らは、RF放射はヒトに対して神経膠腫を生じる発がん性があるとみなすべきである、と結論付けている。
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