この研究は、さまざまな磁界強度(1, 1.5, 3, 7 T)のMRイメージング検査を受けた患者(MR群)でのDNA二本鎖切断(DSB)形成に対する磁界強度および造影剤の影響を調べた。MR検査の直前および終了の5分後、30分後の3回採血し、末梢血単核細胞を分離し、DNA DSBsレベルを定量的に分析した。MR群(n=43:女性22、男性21:平均年齢46.1歳(20-77歳))を検査に用いた磁界強度および造影剤使用の有無によってサブグループ化した。またCT検査を受けた患者(n=10)を陽性対照とした。DNA DSBマーカであるγH2AXレベルを分析した結果、CTばく露後の患者ではリンパ球でのDSBsが増加した(検査前、5分後、30分後のfoci数/細胞は、0.14±0.05、0.26±0.07、0.24±0.07;P≤ .05)が、MRばく露後の患者では何の変化も観察されなかった(同じく、0.13±0.02、0.12±0.02、0.11±0.02;P > .05);MR群のサブグループに関する分析でもγH2AXレベルに有意な変化は見られなかった、と報告している。
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