この研究は、代謝経路の酵素反応およびシグナル伝達と遺伝子発現変化との関連付け情報のデータベースを利用したパスウェイ解析を用いて、超低周波(ELF)および無線周波(RF)電磁界(EMF)のばく露を受けた細胞システム(ヒト細胞株)での遺伝子発現を調べた研究から得られたイン・ビトロのデータに基づき、ELFおよびRFのEMFばく露とヒト疾患との尤もらしいリンケージを解析した。解析に取り入れたデータは、ELFでは全マイクロアレイデータを示した5研究および有意に変化した遺伝子のリストのみ示した3研究、RFでは、前述のような13研究および5研究である。その結果、合計60の経路がヒト疾患に関連し、主にJAK-STAT信号伝達のような細胞機能またはP450酵素系による異物代謝のような代謝機能に集中していた;ELF-EMFデータでは、ヒト疾患との結びつきが散発的に見られたものの、明確な傾向は浮かび上がらなかった;RF-EMFデータでは、ヒト疾患との強い結びつきは1つも見られなかったが、いくつかの経路の変化とは強く結びついた;これらの結果を踏まえれば、今後有望なものはEMFと神経の機能および疾患に関する研究であるかも知れない、と報告している。
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