[AC強電界へのマウスのばく露:実験的研究] med./bio.

Exposure of Mice to a Strong AC Electric Field - An Experimental Study

掲載誌: IEEE Transactions on Power Apparatus and Systems 1967; PAS-86 (4): 498-505

この研究は、4kV/inの60Hz電界に長期ばく露(10.5ヶ月間)したCF雄マウス(ばく露群、対照群ともn=22)の生殖力およびその子孫への影響を調べた。ばく露は、1個体を入れた5インチ×5インチ×11インチのプラスチックケース22個を適度な間隔で平行平板電極間(間隔6インチ:平板間電圧24kV)内に並べて実施した。対照群擬似ばく露で以外は同様に取り扱った。ばく露時間は1日6.5時間。休日を除き、10.5ヶ月間の累計ばく露時間は約1500時間であった。ばく露以外の時間は、各個体別のケージに戻した。各ケージにはそれぞれ2匹の未交尾の雌マウスを入れ、1ヵ月に1度新しい別の2匹の雌に入れ替え、各雄マウスのケージにおける月毎の妊娠回数、出生仔の数、仔マウスの成長曲線を調べた。その結果、ばく露群において、生殖力は対照群と比べて差が無く、病理学的変化も見られなかった;それぞれの子孫群の成長パターンは、雄において若干の違いが見られ、さらに研究が必要であると報告している。
この研究は、活線作業の安全性に関する一連の現場調査の一環で、生殖と子孫への影響の考察のために行われた。実験する電界強度の決定に先立ち、もっと強電圧の実験も試行した。30kV/inではマウスが麻痺状態を引き起こし、20kV/inでは体毛が常に起立して、強い不快行動がみられた。5kV/inでは一部のマウスが強い覚醒行動を示したが、4kV/inでは顕著な混乱はみられなかったため、この電界強度に決定された。マウスの体内誘導電流は計算および測定により約2.4μAと推定された。ばく露装置は、長期間の電気安全と防火対策、コロナやオゾンの発生防止などに配慮したことも詳述されている。

ばく露

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