この研究は、米国海軍入隊者でのマイクロ波放射(レーダ)の職業上の体験が健康に与える影響をコホート調査した。コホートは朝鮮戦争中に兵役に就いた、最大ばく露機会(電子装置の修理)を有する約20,000人の男性およびばく露可能性が最小(レーダの操作)である20,800人から成る。潜在的ばく露は、職務、就業時間およびばく露時の装置出力を基に評価された。各コホートのメンバーへの実際のばく露は確認できなかった。死因別の死亡率、兵役中の入院、退役軍人管理(VA)施設への事後の入院、VA障害補償を健康指標とした。これら指標のほとんどは自動記録システムにより得られた。その結果、これらの指標において、1950-1954年の間のマイクロ波放射への潜在的ばく露に起因すると思われる有害な影響は検出されなかった、と報告している。
米国海軍要員の健康に対するマイクロ波放射(レーダー)への職業ばく露の影響を、朝鮮戦争期(1950-1954)に従軍していて、ばく露の機会が最大である約20000人の男性(電子機器補修)及びばく露の潜在的可能性が最小である20000人(機器運用)の二つのコホートで調査した。
海軍要員の職業グループを、1957年以降の海軍による艦上での測定に基づき、マイクロ波放射に最大限ばく露(レーダー機器補修)及び最小限ばく露(レーダー装置運用)されると分類した。高ばく露コホートは、電子機器技師、火器管制技師、航空電子技師で構成された(最後のグループは火器管制技師の数が少ないために含められた)。低ばく露コホート(1mW/cm2未満)には、無線技師、レーダー技師、航空電子技師の同僚が含められた。
潜在的ばく露の評価は、病死、自殺または殺人で死亡した全ての男性(435人)ならびに無作為抽出したサンプル(960人)で構成されるサブグループについて行った。潜在的ばく露は、職務、就労期間、ばく露時の機器の電力で評価した。
グループ | 説明 |
---|---|
集団 1 | 低ばく露:無線技師 |
集団 2 | 低ばく露:レーダー技師 |
集団 3 | 低ばく露:航空電子技師の同僚 |
集団 4 | 高ばく露:電子機器技師 |
集団 5 | 高ばく露:火器管制技師 |
集団 6 | 高ばく露:航空電子技師 |
タイプ | 値 |
---|---|
合計 | 40,000 |
本研究では、1950-1954年の期間の潜在的なマイクロ波放射ばく露に帰せられる健康への悪影響は認められなかった。死亡率の差は総飛行時間とリンクしているようであり、恐らくアルコール消費とリンクしている。
著者らは、本研究では軍役後のマイクロ波への職業ばく露、海軍及び退役軍人庁のシステム外の病院への入院、軍役中及び退役後の入院を伴わない医学的状態の発生とその特徴、または生殖能力及び子孫の健康を判断することはできなかったと述べている。
本研究では個々人に対してばく露量を割当てることはできなかった。
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