この研究は、マイクロ波放射(MR)誘発性の傷害の軽減に対する外因性カルレティキュリン(CRT)の有効性を、CRTがラットの心筋微小血管内皮細胞(MMECs)で小胞体(ER)ストレスを低下させるか否かの観点から調べた。4週齢のSDラットの左心室心筋組織から抽出したMMECsの培養皿を4群(各群複数皿)用に作製し、(1) 対照群:MR無ばく露、(2) MR群:2.856 GHz(30 mW/cm2)への6 分間ばく露、(3) CRT+MR群:CRT(25 pg/ mL)に12時間ばく露した後、2.856 GHz(30 mW/cm2)への6 分間ばく露、(4) CRT(25 pg/ mL)に12時間ばく露、の実験を行った後、MMECsでの乳酸脱水素酵素(LDH)漏出試験、アポトーシス試験、細胞生存率試験によりMR誘導性の傷害を評価した。また、GRP78、CRT、CHOP、Bcl-2、Baxの発現分析によりERストレス反応およびERストレス関連アポトーシスを検査した。その結果、MRによる顕著なMMECsの傷害が示された(LDH漏出とアポトーシスの増加、細胞生存率の低下);またMRは過剰なERストレスとERストレス関連アポトーシス信号伝達を誘導した;外部からCRTを投与することにより、MR誘導性の細胞アポトーシスおよびLDH漏出、ERストレスおよびERストレス関連アポトーシス信号伝達活性化が減じた、と報告している。
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