このコメントは、Aertsらの論文(本誌34巻pp.300-311)に対するものである。Aertsらの「逐次的代理モデル(SSM)は大規模疫学研究に適している」との主張は疑わしく、著者らが提案した3D電波伝搬モデル(3DM)の方が疫学研究のRF-EMF評価により適しており、それを示す先行研究がある(Burgiら, 2008; Beekhuizenら, 2013)、と述べている。3DMがSSMより有利な点として、1) 大きな人口集団への規模拡大が容易、2) 時間変動を考慮できる、3) 高さ方向のばく露推定値も提供できる、を挙げている。具体的には、SSMは測定への依存が高いため、大規模な空間では測定地点数が非常に多く必要になる、現時点での測定では過去のばく露評価ができない、都市では基地局が見通せる高い位置に居住する人が多いが、SSMでは垂直方向の取り扱いが容易ではない、と説明している。また、AertsらがSSMの利点とした「アンテナや建物の情報が不要」については、これらの情報の入手が可能な国も多くなっている、と指摘している。
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