この実験研究は、高齢(21-27月齢)のアルツハイマー病トランスジェニック(Tg)マウスに対する無線周波電磁界ばく露の影響を調べた。電磁的治療として与えたばく露は、GSM電磁界(217Hzパルス変調918MHz、SAR0.25-1.05 W/kgと推定)を2時間/日で2ヶ月間(実験I:Tgマウス;ばく露群9匹・対照群8匹、NTマウス(Tgと同腹の非Tgマウス);ばく露群5匹・対照群5匹)または12日間(実験II :Tgマウス;ばく露群6匹・対照群5匹)である。ばく露はファラデーケージ内において、マウスを入れたケージをGSM放射アンテナの周りに環状に並べで行った。アンテナとマウスケージの距離は26cm、ファラデーケージ内の電界強度測定値は17-35V/mであった(SARはこれらから数値計算された)。実験Iの開始前に種々の認知テスト(運動能、平衡機能、作業記憶など)のベースライン測定を行い、その後ばく露を開始し、1ヶ月経過後からばく露セッションの合間に各種テストをスケジュールした。実験I,IIのばく露終了後、レーザドップラー計による局所脳血流量(rCBF)および脳組織切片のβアミロイド沈着の測定を行った。その結果、実験Iのばく露群では進行していたβアミロイド沈着が減少;ばく露群ではTgマウスもNTマウスもY迷路での一般的記憶機能の上昇(但し、複雑なタスクでは影響は見られず);実験I,IIとも脳および直腸の温度上昇はなかった;実験IのTg、NTマウスの脳皮質のrCBFが減少した、などの所見を報告している。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。