[論説:疫学におけるELF電磁界と小児白血病との関連:もう充分か?] comment

The association between extremely low-frequency electromagnetic fields and childhood leukaemia in epidemiology: enough is enough?

掲載誌: Br J Cancer 2010; 103 (7): 931-932

この論説は、同誌本号に発表された超低周波電磁界(ELF-EMF)へのばく露小児がん(特に白血病)のリスクに関する2件の疫学研究(Kroll他:pp.1122-27;Kheifets他:pp.1128-35)の結果を紹介しつつ、今後の疫学研究にどのような展望があるか、などについて見解を述べている。まず、今回のKroll研究とKheifets研究については、「Kheifets研究はKroll研究のデータを含めたプール分析であるが、両研究はばく露のカテゴリー分けが異なるため結果に違いが出た。このことは、少数データの場合に結果がどれほど不安定になるかを示すと共に、分析によって異なるカテゴリー区分を用いることの危険性も示した」と述べている。また、「今回の結果は、これまでにAhlbom他(2000年)とGreenland他(2000年)のプール分析の推定リスクを否定するものではない。新しい研究ほど方法上で一定の改善があったと思われるが、その結果は同等である」、「我々は疫学研究からのこれ以上の証拠提供は不可能と確信する。考え得る因果メカニズムと疫学的方法についての現在の知識からすると、この関連について現在以上の洞察を得ることは期待できない」、「新なアイデアが出て来ない限り(優れたばく露評価生物学的メカニズム、重要な交絡因子)、疫学研究の限界を受け入れるべきである。高ばく露小児のパーセンテージは1%未満であり、公衆衛生上の影響は小さいという状況からこう考えるのは妥当である」、と述べている。

ばく露

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