この研究は、シロイヌナズナにおいて、Ca2 +イオンサイクロトロン共鳴条件に一致する磁界と電磁界の組み合わせによって、Ca2 +濃度変化が引き起こされるか否かを調べた。エクオリン(シロイヌナズナで安定して発現する細胞カルシウムレポータータンパク質)を発現するシロイヌナズナ変異体(Col0-1 Aeq Cy +)に、約65 μTの静磁界の連続的ばく露下でCa2 +サイクロトロン周波数に対応する50Hz交流磁界(5 μT)を重畳ばく露した。高感度光電子増倍管ユニットを用いて、遊離Ca2 +の変化をエクオリン生物発光によってモニタした。野生型シロイヌナズナを用いた実験を参照として行なった。その結果、50Hz交流磁界のオンおよびオフへの切り替えのどちらにおいても、細胞質Ca2 +の一時的な増加が観察され、後者の影響は交流磁界のばく露時間の増加とともに減少した;このような変化に比べれば、何も外因性の影響がない時の生物発光活性の長期の損失はごくわずかであった;静磁界の強度を変えてイオンサイクロトロン共鳴条件との不一致を起こした場合、磁界効果は急速に低下し、交流磁界の振幅への依存性が見られた、と報告している。
エクオリンが発現しているArabidopsis thaliana の突然変異体を65µT前後の磁界、及び50HzのCa2+サイクロトロン周波数に相当する電磁界にばく露した。印加したイオンサイクロトロン共鳴(ICR)は、検討されているメカニズムの一つで、小さなイオンの生理学的利用可能性に影響を及ぼすことにより、電磁界の一定の周波数と強度について生物学的影響を予測している。
エクオリンを生じるArabidopsisの突然変異体は、外因性ストレス因子に対する細胞質のCa2+の流れを調べるための強力な方法を容易にする。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | DC continuous through the whole experiment; AC up to 90 min superimposed |
Additional information | superimposed on a DC field |
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | DC continuous through the whole experiment; AC up to 90 min superimposed |
Additional information | superimposed on a DC field |
ばく露の発生源/構造 |
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周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | DC continuous through the whole experiment; AC up to 90 min superimposed |
Additional information | superimposed on a DC field |
ばく露の発生源/構造 |
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このデータは、Ca2+のサイクロトロン周波数の共鳴電磁励起が、細胞質ゾルにおけるこのイオンの濃度に及ぼす直接的及び急激な影響力を初めて示唆するものである。この変化は一過性で、60分以内に緩和された。Ca2+ICR条件をオン及びオフのどちらに切り替えても、Ca2+トランジェントが観察された。
植物における二次的メッセンジャーとしての Ca2+の各種機能に鑑みて、このメカニズムはこれらの複合電磁界の感知にとって重要かも知れない。
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