この研究は、畜牛やシカが草を食べたり休息したりしている時の体軸の向きが地磁気の南北方向に整列する傾向があるという知見に基づき、高圧送電線によって生成された超低周波磁界(ELFMF)が、これらの動物の体軸と地磁気との整列に影響するか否かを調べた。その結果、送電線の下または近くの牧草地において、畜牛とノロジカの体軸の向きはランダムであった;さらに、送電線の直下または近くでさまざまな向きの送電線磁界のばく露を受けた畜牛は、その磁界方向への明確な整列パターンを示す傾向があった;地磁気方向への体軸整列を妨害するELFMFの作用は、送電線の導体からの距離とともに低下した、と報告している。
開けた牧草地でのウシやノロジカは、非常に一貫して南北に整列することが示されている。
ベルギー、ドイツ、英国、オランダの153か所でウシ(1699頭)を分析した。ノロジカ(47の群れの653頭)をチェコ共和国で調べた。電力線下で放牧・休息が観察された(ウシ:150m以内、ノロジカ:50m以内)動物をばく露群とした。架空高圧線がない場所で観察された動物(ウシ:欧州の111か所の1488頭、チェコ共和国の201か所の1912頭)を対照群とした
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1: 50 Hz | - |
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露の発生源/構造 |
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No parameters are specified for this exposure.
ウシ及びノロジカの身体の向きは、電力線近傍ではランダムであった(特定の方向を好んで身体の軸を向けることは見られなかった)。対照群では、有意に南北軸に沿うように身体を向けることが有意であった。電力線の向きに応じて、ウシの向きは明確なパターンを示した。超低周波電磁界の攪乱作用は、胴体からの距離とともに減少した。
この結果は、ウシ及びノロジカにおける自発的な方向性の好みは磁界整列の事例であるということの証拠を示している。電力線下または近傍で観察された明確な配列パターンは、反芻動物の整列行動における太陽のコンパスの役割を排除するものである。
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