【目的】心筋幹細胞(CSC)の分化を最小の操作で調節することは、心不全のための細胞療法の、臨床適用性が目指す主要な目標の一つである。ヒト心筋の生検標本から得られ、心球(CSps)として、また、心球由来細胞(CDCs)として育てられるCSCsは、梗塞を起こした心筋層に植え付けをし、また、部分的には再生をすることができる。これは先に描写されているとおりである。本稿では、CSPs とCDCs をCa2+イオンサイクロトロン・エネルギー共鳴(Ca2+-ICR)に同調させた極低周波電磁界(ELF-EMFs)にばく露し、それらの細胞分化が心臓特異的な表現型へ促されるという仮説を評価した。【方法および結果】ヒトのCSPs、CDCs双方において、心臓マーカー発現における著しい増加が、5日間のCa2+-ICRへのばく露後観察された。それは、転写、翻訳、表現形の各レベルにおいて明らかであった。細胞内貯蔵物間でのCa2+移動が観察され、それは、Ca2+蛍光プローブを区分化分析することによって裏付けられた。【結論】これらの結果は、Ca2+-ICRに同調させたELF-EMFが、成人心臓前駆細胞における心臓特異的分化を促進するのに使えることを示唆する。治療目的に用いられることになる細胞を、薬理学的あるいは遺伝子的に操作することなく、それが可能なのである。
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