この研究は、オリエンタルスズメバチの働きバチの行動がAC(50 Hz)磁界ばく露により変化するか否かを調べた。女王バチのいない人工繁殖箱(ABB)で飼育中のオリエンタルスズメバチの働きバチは、開口部が下を向いた、六角形のセルからなる蜂の巣を数日以内に作り上げる。この蜂の巣は幹をもち、その幹によりABBの屋根に固定されている。磁束密度B = 50-70 mGのAC(50 Hz)磁界ばく露を受けた成虫の働きバチ(羽化後24時間以上)のABBにおいては、対照群(地磁気のみのばく露)のABBにおけるものとは違いがある蜂の巣とセルが作成された。その違いとは、(a)それぞれの蜂の巣のセル数が35〜55%少なく、巣あたりの卵の数が少ない、(b)巣の対称性が乱れ、変形した不完全な六角形のセルが多い、(c)巣の幹は繊細で細長い、であった、と報告している。
以下の傾向が認められた:ばく露群では対照群と比較して、構築された巣の部屋が少なかった(35-55%減)。対照群の巣の部屋は完全な六角形で均一であったのに対し、ばく露群の巣の部屋はどちらかと言えば非対称的であった。ばく露下では巣の幹が繊細で細かった。
対照群では卵の数が最大、つまり、各部屋に卵または幼虫がいた。ばく露群の巣には卵が少なく、幼虫はいなかった。
著者らは、50Hz磁界ばく露はスズメバチの働き蜂の体内に電流を誘導または阻害し、巣が逸脱した方法で作成された、と仮定している。
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