研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[追加の交流磁界ばく露は働きバチの巣の建設に影響する] med./bio.

Exposure to an additional alternating magnetic field affects comb building by worker hornets

掲載誌: Physiol Chem Phys Med NMR 2007; 39 (1): 83-88

この研究は、オリエンタルスズメバチの働きバチの行動がAC(50 Hz磁界ばく露により変化するか否かを調べた。女王バチのいない人工繁殖箱(ABB)で飼育中のオリエンタルスズメバチの働きバチは、開口部が下を向いた、六角形のセルからなる蜂の巣を数日以内に作り上げる。この蜂の巣は幹をもち、その幹によりABBの屋根に固定されている。磁束密度B = 50-70 mGのAC(50 Hz磁界ばく露を受けた成虫の働きバチ(羽化後24時間以上)のABBにおいては、対照群(地磁気のみのばく露)のABBにおけるものとは違いがある蜂の巣とセルが作成された。その違いとは、(a)それぞれの蜂の巣のセル数が35〜55%少なく、巣あたりの卵の数が少ない、(b)巣の対称性が乱れ、変形した不完全な六角形のセルが多い、(c)巣の幹は繊細で細長い、であった、と報告している。

研究目的(著者による)

スズメバチの働き蜂の繁殖力及び営巣活動に対する地磁気に加えて50Hz磁界の影響を評価すること。

詳細情報

スズメバチの働き蜂を10-20匹のグループで人工飼育箱に配置した。対照群の人工飼育箱を様々な間隔でばく露群から離した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 2 weeks

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 2 weeks
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • 詳細不明
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 5 µT minimum - - -
磁束密度 7 µT maximum - - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

以下の傾向が認められた:ばく露群では対照群と比較して、構築された巣の部屋が少なかった(35-55%減)。対照群の巣の部屋は完全な六角形で均一であったのに対し、ばく露群の巣の部屋はどちらかと言えば非対称的であった。ばく露下では巣の幹が繊細で細かった。
対照群では卵の数が最大、つまり、各部屋に卵または幼虫がいた。ばく露群の巣には卵が少なく、幼虫はいなかった。
著者らは、50Hz磁界ばく露はスズメバチの働き蜂の体内に電流誘導または阻害し、巣が逸脱した方法で作成された、と仮定している。

研究の種別:

研究助成

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