研究のタイプ: レビュー (医学/生物学の研究)

[携帯電話からの無線周波電磁界へのばく露後における遺伝子とタンパク質の発現] review

Gene and protein expression following exposure to radiofrequency fields from mobile phones

掲載誌: Environ Health Perspect 2008; 116 (9): 1131-1135

この論説は、1999年以降、携帯電話と同じ信号・強度の電磁界ばく露の後の全ゲノム、全プロテノームの反応について公表された論文の結果の評価、問題点の指摘を行っている。これらの研究は、トランスクリプトームプロテオームの高スループットスクリーンニング法(HTSTs)を用いて、多くの遺伝子タンパク質発現を同時にスクリーニングしている。レビューの結果、人体が通常ばく露するレベルのRF電磁界ばく露した後のトランスクリプトームプロテオームのHTSTによる研究のうち、ポジティブな結果を提出している研究の多くには手法上の不完全または欠陥による不備があるため、全体として結論は導き出せない;さらには、報告されたポジティブな結果について、それを再現しようにも正確な反応パターンが同定できない、と報告している。また、マイクロ波支援化学(物質の合成などにマイクロ波を利用する化学)の基礎に立てば、RF電磁界は熱感受性のある遺伝子タンパク質に対して、熱のみによる変化よりさらに大きな影響を与えると仮定できるが、これは通常の人体ばく露レベルより高い強度で起きると述べている。

影響評価項目

ばく露