この研究は、光電子増倍管(PMT)と蛍光顕微鏡を使用して、H2O2の影響下のマディンダービー犬腎臓(MDCK)細胞における生体光子の特性を調べた。H2O2は、活性酸素種(ROS)産生を引き起こすために用いられた。蛍光顕微鏡の画像は、H2O2により細胞から放出される光子強度の増加を示した。PMTを使用して、培養MDCK細胞にH2O2ばく露を与えたときの生体光子放出の量的変化を測定したところ、生体光子の増加はH2O2の量に依存することが示された。このように、PMTおよび蛍光顕微鏡の結果が一致したことは、生体組織または細胞に対するROSの影響を定量測定できる可能性を示唆する。そこで、細胞に60 Hzの交流磁界を印加して、MDCK細胞とROS間の反応の変化を調べた。その結果、化学発光強度の減衰は、磁界ばく露後に異なる経路をとることが示された。以上の知見から、PMT測定は、ROSに関連する生化学的特性を研究するための有用なツールと考えられる、と報告している。
バイオフォトンは、生体系から放射される光子(非常に弱い化学発光)で、自発的に、または生化学的な細胞応答、例えば活性酸素種に関する代謝活動の結果として生じる。活性酸素種を生じさせるため、濃度が1、2、3及び4mMの過酸化水素を適用した。生きた細胞からのバイオフォトン放射を検出するための方法として蛍光顕微鏡及び光電子増倍管が信頼できるかどうかを調べるため、これらを用いてバイオフォトン測定を実施した。
ばく露 | パラメータ |
---|---|
ばく露1:
60 Hz
ばく露時間:
continuous from 2 h up to 3 h 40 min
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蛍光顕微鏡と光電子増倍管の両方とも、過酸化水素による光子強度の増加を検出できた。バイオフォトンの増加は過酸化水素の量に依存した。過酸化水素での単独処理後に観察された化学発光強度の減衰は、追加的な磁界ばく露御の最初の段階でピークを示した。
著者らは、光電子増倍管の測定は、活性酸素種に関する生化学的特徴を調べるための有益なツールかも知れないと結論付けている。
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