[ヒトの皮膚のミリ波ドシメトリ] tech./dosim.

Millimeter wave dosimetry of human skin

掲載誌: Bioelectromagnetics 2008; 29 (1): 65-70

ミリ波生物学的影響のメカニズムを明らかにするために、表皮と真皮におけるミリ波吸収浸透度を評価する際の正確な方法を開発することが重要である。ミリ波皮膚線量測定の主な特徴は、皮膚の均一単層モデルと2つの多層モデルを使って予測された。これらの特徴には、反射電力密度(PD)、浸透度(δ)、比吸収率(SAR)が含まれる。モデルのパラメーターは、モデルを人の皮膚から反射するミリ波の計測から得られた実験データへ適合させて得られた。前腕と掌のデータが、それぞれ、薄い角質層(SC)と厚い角質層(SC)の皮膚をモデル化するために使用された。薄い角質層(SC)は、ミリ波皮膚の相互作用に関してわずかしか影響が見られなかった。反対に、掌の厚い角質層(SC)は、整合層の役割を演じ、反射を著しく減少させた。さらに、掌の皮では、83~277GHz帯域で反射の広範なピークが現れた。真皮に加えて多量の遊離水を含む生存能力のある表皮は、ミリ波のエネルギーを大きく減衰させた。これによって、深部の脂肪層は、電力密度(PD)と比吸収率(SAR)のプロファイルにはほとんど影響を与えなかった。我々は、深さ0.3~0.4mmの皮膚内において、治療周波数帯(42~62GHz)の比吸収率(SAR)の中程度のSARピークを確認した。ミリ波は、人の皮膚深く(42GHzにおいてδ=0.65mm)に浸透し、表皮と真皮に位置している皮膚の構造に最も大きな影響を与える。

ばく露

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