無線通信装置の広範な使用、特に携帯電話の使用は、無線周波数(RF)場への人のばく露の増加をもたらした。国内外の機関がRF場へのばく露に対する安全指針を制定しているけれども、RF場ばく露に関連して発生する健康に有害な結果の可能性についての懸念が残っている。RF場と健康についての広範な文献が多くの専門機関によって再調査された。この専門機関には、カナダ王立協会(1999)、欧州委員会の毒性、生態毒性および環境に関する科学委員会(CSTEE, 2001)、英国医師会(2001)、スウェーデン放射線防護委員会(Boice & McLaughlin, 2002)およびオランダ健康審議会(2002)が含まれている。このレポートは、カナダ王立協会の1999年の発表(Krewskiその他、2001a)および我々の以前の2001年最新版(Krewskiその他、2001b)以来、2001年~2003年の期間をカバーした、RF場の健康リスクの可能性に関する最近の研究結果の最新版を提供する。今回のレポートは、ドシメトリおよびばく露評価、生物学的影響に関する新しいデータを検討するものである。その生物学的影響には、酵素誘導、ならびに毒性影響があり、遺伝毒性、発がん性、睾丸と生殖の結果が含まれている。ヒトおよび動物の神経学的かつ行動学的影響の研究に加え、携帯電話使用者および職業的ばく露を受けた集団に関する疫学的研究が検討された。最近2年以内に行われた権威あるすべての再調査で、RF場に関連した健康への悪影響の明確な証拠はないことが結論された。しかし、携帯電話とがんについての9つの疫学的研究の最近の再調査を受けて、Kundiその他(2004年)は、がんリスクの上昇の可能性は排除できないと結論を下した。同レビューは、いくつかのレポートに現れているRF場と健康への悪影響の結果との関連の可能性を明らかにするために、更なる研究の必要性を支持している。携帯電話に関する現在進行している世界保健機関(WHO)の研究結果は、この件に関して、重要な新情報を提供することになるだろう。
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