マイクロ波パルスヒアリングは、ヒト聴覚知覚において通常みられるような気導、または骨導による音響エネルギー以外のユニークなものである。聴覚器官は通常、可聴周波数帯域の気導または骨導音、または音圧波に反応する。しかし、マイクロ波パルスヒアリングは、数百MHz~数十GHzの周波数帯の電磁波が関与する。電磁波(例えば、光)は見ることができるが聴くことはできないため、マイクロ波パルスの聴覚知覚の報告は、驚きであるとともに好奇心をそそられた。また、これは連続波のマイクロ波放射に関連した反応とは鋭い対照をなしている。実験研究や理論研究によれば、マイクロ波の聴覚現象はマイクロ波パルスと聴覚神経、または中枢神経系の聴覚神経生理学的経路上の神経細胞との直接的相互作用によって生じるのではないことが示されている。そうではなく、マイクロ波パルスは、頭部の軟組織による吸収によって、音圧の熱弾性波を送り出し、その音圧が骨伝導によって内耳まで達する。それが、通常のヒアリングに関わるものと同じ過程を経て、蝸牛受容体を活性化する。組織の加熱を別にすれば、マイクロ波の聴覚作用は、相互作用メカニズム(熱弾性理論)が良く理解された、最も広く受け容れられているマイクロ波の生物学的作用である。マイクロ波ヒアリングにおける現象、メカニズム、必要電力、音圧の振幅、可聴閾値が本論文で論じられている。無線通信電磁界および磁気共鳴映像(MRI)コイルへの人体のばく露に関して特に重点を置いた。
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