研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[電力会社での勤務および磁界ばく露に関連する肺がん] epidem.

Lung cancer in relation to employment in the electrical utility industry and exposure to magnetic fields

掲載誌: Occup Environ Med 1997; 54 (6): 396-402

<目的>電力産業において遭遇する電磁界曝露と肺がんとが相関するかもしれないと最近言われているので、米国の5つの大きな電力会社からデータを集め、この可能性について評価した。 <方法>このコホート研究のために、1950年から1986年まで雇用された138,905名の男性従業員の死亡について、1988年末まで追跡して20,733名の中に1,692名の肺がんによる死亡者を同定した。肺がんによる死亡は、高い曝露があると考えられる特定の職業に従事した期間と、個人測定に基づいた累積磁界曝露の指標との関連について検討された。別の研究から推定されたパルス電磁界(PEMFs)への曝露も合わせて考慮された。年齢、歴年、人種、社会経済的地位、職業での地位、およびアスベストへの曝露の推定値などによって補正されたコホート内における比較に基づいて、曝露カテゴリー間での相対危険比がポワソン回帰法によって求められた。 <結果>電気技師または発電所運転員として20年以上従事した者の肺がんによる死亡率は僅かに上昇し、その相対危険比は1.4に達した。しかし保線員として従事した者、或いは60Hz磁界またはPEMFsへの曝露が高い仕事の組合せに従事していた者では死亡率は高くなかった(表2)。60Hz磁界とPEMFsの累積曝露指標は共に最も高い区間では1.2-1.3の相対危険比で相関が見られた(表3、5)。著者たちはこの結果から、60Hz磁界またはPEMFsに曝露される可能性のある特定の仕事に従事する期間と肺がんとは、強くはないが相関していると示唆した。また曝露の誤分類によって強い相関が薄められている可能性もあるとして、今後の検討を勧めている。

ばく露

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