足場の形で、潜在的に骨の代用素材として用いることのできる新しい生体材料をデザインすることに一層の関心が集まっている。この研究で、我々は典型的な組織再生アプローチ、すなわち、多孔性足場を使っての細胞植え付けとインビトロ培養を行ったが、その際、足場には疎水性の交差結合されたポリウレタンを用いた。電磁的なバイオリアクター(磁界強度:2mT、周波数:75Hz)を使って、電磁刺激が、SAOS-2ヒト骨芽細胞の増殖と石灰化基質の産生に与える効果を調べた。細胞増殖は2倍に跳ね上がり、デコリン、オステオカルシン、オステオポンチン、1型コラーゲン、3型コラーゲンの発現は、より大きくなった(それぞれ、1.3倍、12.2倍、12.1倍、10.0倍、10.5倍 )。また、カルシウム沈着は、電磁刺激のない静的な条件下に比べて5倍であった。RT-PCR 分析により、デコリン、フィブロネクチン、オステオカルシン、オステオポンチン、形質転換成長因子-β、1型コラーゲン、3型コラーゲンに特化した転写が、電磁的に上方調整されていることが明らかになった。細胞外基質成分の免疫学的な局在決定により、それらの成分が細胞の多いところに共局在化していることが分かった。バイオリアクターとポリウレタン泡が、細胞入植と石灰化基質沈着を得るためにデザインされた。この培養生体材料は、臨床適用において、骨再生のための骨誘導移植片として用いることが可能となろう。
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