研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[ラットのモルヒネ誘発性の条件付け場所嗜好性に対する超低周波電磁界の影響] med./bio.

Effects of extremely low-frequency electromagnetic fields on morphine-induced conditioned place preferences in rats

掲載誌: Neurosci Lett 2005; 390 (2): 72-75

本研究では、超低周波(ELF)電磁界ラットモルヒネ誘導条件付場所選好性に対する効果を調べた。条件付の間(12日間)、ラットの3つのグループを、感覚的キューによって定義された環境に、モルヒネ(10 mg/kg. i.p.)とともに置かれた。それぞれ20Hz(1.80mT)または50Hz (2.20mT)、擬似電磁界に、60分/日ばく露された。それから、もうひとつの感覚的キューに条件付けられた環境に、生理食塩水(1 ml/kg, i.p.)とともに置かれたが、この時は電磁界ばく露されなかった。12日間の条件付けの終了後、モルヒネを伴った場所に対する選好性試験を、10日間の消退期間のあいだ実施された。電磁界へのばく露実質的には、げっ歯類小動物モルヒネ誘導場所選好性を高めたが、ELF 電磁界モルヒネによって誘導される条件付け行動への傾向を増進させる可能性を示唆している。

研究目的(著者による)

ラットモルヒネ誘発性の条件付け場所嗜好性(3つの異なる区画のある試験チェンバ内の特定の場所に対する嗜好性)に対する超低周波電磁界の影響を調べること。

詳細情報

感覚合図で定義した環境(箱の特別な特徴)へのばく露の際のモルヒネ投与は、試験箱の事前には嗜好されなかった側への嗜好性を生じることができた(条件付け場所嗜好性)。

試験箱の3つの区画のうち2つは大きさが同じだが、覆い(黒または白)及び床の生地(滑らか、または織目あり)が異なる。3つ目の「選択」区画は2つの大区画の後ろに接し、そこへのアクセスはギロチン式ドアを通る。

12日間の条件付け期間中、3グループのラット(後に偽ばく露または電磁界ばく露)を、モルヒネ(10mg/kg)とペアにした感覚合図で定義した環境に入れた(即ち、1つの区画に閉じ込めた)。

電磁界ばく露なしで、生理食塩水とペアにした別の感覚合図で定義した環境にもラットを入れた(別の区画への閉じ込め)。

条件付け終了後、10日間の休薬期間に嗜好性試験を実施した:ドアを開けた「選択」区画に動物を入れ、15分間自由にアクセスできるようにした。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 20 Hz
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: repeated daily exposure, 60 min/day for 12 days

ばく露1

主たる特性
周波数 20 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • unspecified
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • a single coil made up of 4 layers
ばく露装置の詳細 Rats were placed in a non metallic plastic bucket which was placed in the middle of the exposure area (60 cm x 30 cm x 43 cm) provided by the coil. Sham exposed rats were kept in the same set-up as used for exposure but the coil was not energized.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1.8 mT mean 測定値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • unspecified
ばく露時間 repeated daily exposure, 60 min/day for 12 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 2.2 mT mean 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

電磁界ばく露ラットモルヒネ誘発性の場所嗜好性を大いに強めた。このことは、超低周波電磁界モルヒネ誘発性の条件付け行動傾向を高め得ることを示している。このデータは、電磁界ばく露は脳内の幾つかのµ-オピオイド受容体及び外因性オピオイド系の変化を生じることを示している。

研究の種別:

研究助成

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