この研究は、ヒトにおける50 Hz電流の知覚閾値を決定するデータを測定した。これまでの利用可能なデータは主に男性の知覚能力を反映しており、女性のデータはまばらで、子供や高齢者のデータはほとんどない。これまでのデータの欠落部分を埋めるために、9〜16歳の240人の子供と123人の高齢者を測定した。人口の年齢分布を考慮した全体的人口集団の知覚能力を表す確率分布の作成が可能になったことで、安全限界を導き出すためのより確立された基礎を提供することができた、と著者は述べている。主要な結論として、同じクライテリアで、今回のデータから導き出した結果と比べると、既存の接触電流制限値はかなり高すぎることが示された;その一方、子供は従来想定されたほどには感受性が高くなかった;したがって、子供の高い感受性を考慮した以前の経験的推定値は安全側に立ったものである、と報告している。
9-16歳の子ども240人(女子117人)及び61歳以上の高齢者123人(女性60人)測定を実施した。50Hz電流を1µAから線形に強め、最初に感じた際にボタンを押して電流を遮断するように子ども及び高齢者に依頼した。測定を6回反復した。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
until first perception of the current
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周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | until first perception of the current |
ばく露の発生源/構造 |
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ばく露装置の詳細 | conventional pregelled ECG Ag/AgCl electrodes with a contact area of 3.14 cm² and a center distance of 5.5 cm applied to the lateral side of the volunteer's forearm; current increased linearly; each measurement repeated 6 times with a 3 min. interval between measurements |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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参照 | - | - | - | - | I > 1 µA |
子ども及び高齢者についての結果を、16-60歳の成人男女の集団(publication 10184)と比較した。
子どもには性別に関連した電流知覚の差が見られ、女子(中央値=236µA)は男子(中央値=257µA)よりも電流に敏感であった。女子の知覚閾値には成人女性との有意差はなかった。対照的に、男子と男性の値には有意差があった:男子の知覚閾値は男性よりも大幅に低かった。高齢者の結果には、成人男女との有意差は認められなかった。
一般公衆の異なるグループからのこれらの結果から、電流に対する感度についての一般的な確率分布を創出した:50Hz電流知覚の中央値は、成人男女では273µTであった。子ども及び高齢者を含めると、中央値は268µTになった。
成人男性のデータに低減係数2を用いて導出した子どもに対する接触電流限度は、一般公衆全体のデータから導出した値と比較して相当に高すぎるので、正当化されないことがわかった。この新たなデータは、現行の限度を見直す必要性を示している。
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