研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[非常に低強度の交流は細胞増殖を減少させる] med./bio.

Very low intensity alternating current decreases cell proliferation

掲載誌: Glia 2005; 51 (1): 65-72

この研究は、低周波(10, 25, 50, 75, 100 Hz)の交流電流(周波数順に0.17, 1.7, 8.5, 17, 170 μA)が正常細胞および新生物細胞の増殖に与える影響を調べた。その結果、熱的影響がないレベルにおいて、低周波、低強度の交流電流AC)は、細胞の生存に有意な有害影響を与えることなく、細胞増殖に直接影響することが示された;これらの影響は、正常なヒト細胞、脳および前立腺新生物細胞で観察されたが、肺がん細胞では観察されなかった;AC刺激の効果は、GIRK2(またはK(IR)3.2)カリウムチャネルが許容状態であることを必要とした;この状態を、細胞カリウム濃度を上げることによって模倣した;細胞死は、より高いAC周波数(> 75 Hz)または強度(> 8.5μA)で達成された;これより低い周波数/強度では、AC刺激アポトーシス様変化を引き起こさなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

腫瘍またはその他の過形成疾患治療のための新規の電気的アプローチとしての、正常細胞及び腫瘍細胞の細胞周期の改変における超低周波交流電流AC)の有効性を調べること。

詳細情報

医学的に難治性の発作を緩和するために側頭葉切除術を受けている患者のヒト皮質組織から、てんかん星状細胞培地を確立した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 10 Hz
ばく露時間: continuous for 3 to 5 days
cells were stimulated with 0.17 µA
-
ばく露2: 25 Hz
ばく露時間: continuous for 3 to 5 days
cells were stimulated with 1.7 µA
-
ばく露3: 50 Hz
Modulation type: pulsed
ばく露時間: continuous for 3 to 5 days
cells were stimulated with 8.5 µA
ばく露4: 75 Hz
ばく露時間: continuous for 3 to 5 days
cells were stimulated with 17 µA
-
ばく露5: 100 Hz
ばく露時間: continuous for 3 to 5 days
cells were stimulated with 170 µA
-

ばく露1

主たる特性
周波数 10 Hz
タイプ
  • electric field
波形
  • pulsed
ばく露時間 continuous for 3 to 5 days
Additional information cells were stimulated with 0.17 µA
Modulation
Modulation type unspecified
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • 導電結合
  • a pair of stainless steel electrodes connected to the wave generator
ばく露装置の詳細 Cells were grown in 24 well plates. Each plate was located between the electrodes.
パラメータ

No parameters are specified for this exposure.

ばく露2

主たる特性
周波数 25 Hz
タイプ
  • electric field
波形
  • pulsed
ばく露時間 continuous for 3 to 5 days
Additional information cells were stimulated with 1.7 µA
Modulation
Modulation type unspecified
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ

No parameters are specified for this exposure.

ばく露3

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • electric field
波形
  • pulsed
ばく露時間 continuous for 3 to 5 days
Additional information cells were stimulated with 8.5 µA
Modulation
Modulation type pulsed
Additional information

32 cycles/pulse, 10 s interval between each pulse

ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
電流密度 3 µA/cm² peak 計算値 - at the middle of the well

ばく露4

主たる特性
周波数 75 Hz
タイプ
  • electric field
波形
  • pulsed
ばく露時間 continuous for 3 to 5 days
Additional information cells were stimulated with 17 µA
Modulation
Modulation type unspecified
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ

No parameters are specified for this exposure.

ばく露5

主たる特性
周波数 100 Hz
タイプ
  • electric field
波形
  • pulsed
ばく露時間 continuous for 3 to 5 days
Additional information cells were stimulated with 170 µA
Modulation
Modulation type unspecified
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ

No parameters are specified for this exposure.

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

データは、熱的影響がない場合、低周波、低強度、交流電流は、細胞の生存に対する有意な負の寄与なしに細胞増殖に直接することを示している。これらの影響は、正常なヒト細胞、ならびに脳及び前立腺腫瘍で見られたが、肺がんでは見られなかった。交流電流刺激の影響は、KIR3.2カリウムチャネルに対する許容的な役割を必要とし、細胞カリウム濃度を上昇することで模倣される。

より高い交流電流周波数(>75Hz)または強度(>8.5µA)で細胞死が得られた。より低い周波数/強度では、交流電流刺激アポトーシス性の細胞の変化を生じなかった。

この結果は、細胞周期の制御における内向きの整流カリウムチャネルを介した膜貫通カリウム流の役割を含意している。このデータは、細胞増殖を減少させるための電気刺激の潜在的な医療応用を示唆している。

研究の種別:

研究助成

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