この研究は、送電性周辺地域に居住する540人の成人を調査対象にして、商用周波磁界ばく露と心理およびメンタルヘルスの変数との関連を調べた。調査において特に留意したのは、潜在的交絡因子の制御と対象者個人個人の磁界ばく露の特性づけである。対象者は、記憶および注意機能の主な領域での神経心理学的検査、精神衛生評価尺度および他の質問票を完了した。総合的な時間積分ばく露の推定値を得るために、1日に少なくとも1時間は滞在する各部屋で磁界測定を行った。多変量重回帰分析を用いて、候補となる交絡因子の影響を制御しながら、磁界ばく露と従属変数との間の線形関係を分析した。その結果、ほとんどの記憶および注意尺度に関する成績はばく露に関連しなかったが、いくつかの心理およびメンタルヘルスの変数との間に有意な量 - 応答関係が見られた;特に、時間積分ばく露が高めであることと、コーディングテスト成績低下や精神医学的症状悪化の傾向が関連した;これらの関連は、電磁界の影響に関する参加者の信念から独立していることが見いだされた、と報告している。
参加者は以下の神経心理学的テストを完了した:数唱テスト、トレイルメイキング試験、ディジットシンボル試験、シンボル‐ディジットモダリティ試験、d2キャンセレーション試験、選択的記憶想起試験、視覚的記憶試験。更に、彼らは人生の変化についてのアンケート及び一般的な健康についてのアンケートに回答した。
グループ | 説明 |
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参照集団 1 | 最初の五分位値、平均ばく露:0.057µT;平均時間積分ばく露:0.640µT-hour |
集団 2 | 第二の五分位値、平均ばく露:0.209 µT;平均時間積分ばく露:2.756 µT-hour |
集団 3 | 第三の五分位値、平均ばく露:0.392 µT;平均時間積分ばく露:5.333 µT-hour |
集団 4 | 第四の五分位値、平均ばく露:0.766 µT;平均時間積分ばく露:10.579 µT-hour |
集団 5 | 第五の五分位値、平均ばく露:1.944 µT;平均時間積分ばく露:30.761 µT-hour |
タイプ | 値 |
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評価可能 | 540 |
電力線の近くに住む参加者の記憶及び注意力の尺度の成績の大半は、磁界ばく露に関連していなかったが、ばく露と一部の心理学的・精神衛生の変数との間に有意な線形の量‐反応関係が認められた。特に、より高い時間積分ばく露は、コーディング試験のより低い成績及びより多くの健康への悪影響(不安、身体症状、抑うつ)と関連していた。これ亜rの関連は、電磁界の影響についての参加者の信念には依存しないことがわかった。
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