この研究は、高電圧送電線近くの地区への居住が小児血液悪性腫瘍に関連するか否かを明らかにする目的で小地域分析を行なった。1992年から2001年の期間に、日本の一都市(福岡市)の50,000人の15歳未満の小児において、14症例が血液悪性腫瘍と診断された。この都市を構成する合計294の地区を、高電圧送電線(66 kVまたは220 kV)への接近度によって分類した。マンテル・ヘンツェル率比を用いて、発生率比とその95%信頼区間(CI)を算出した。その結果、地区内に高圧送電線から300 m以内のエリアがない地区と比較して、少なくとも地区面積の50%が高圧送電線から300 m以内に入る地区では、リスク上昇が示された(発生率比2.2、95%CI:0.5-9.0);患者が、その生涯の中で最も長い期間居住していた住居で分析した場合、関連性はさらに強くなった(発生率比3.4、95%CI:0.9-13.2);ある時点での磁界測定では、高圧送電線に近い地区の患者の住居での磁界レベルに上昇は見られなかった、と報告している。
磁界へのばく露は小さな地域レベルで評価した:市を294の地域に分割し、高圧電力線から300m以内に半分以上が含まれる地域と、半分以下が含まれる地域に分類した。電力線から100m以内に住む患者については、磁界測定を実施した。
グループ | 説明 |
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参照集団 1 | 電力線から300m以内の地域に診断時の住居がない |
集団 2 | 電力線から300m以内に < 50 % が含まれる地域に診断時の住居がある |
集団 3 | 電力線から300m以内に ≥ 50 % が含まれる地域に診断時の住居がある |
参照集団 4 | 電力線から300m以内の地域に最も長い期間住んでいた住居がない |
集団 5 | 電力線から300m以内に < 50 % が含まれる地域に最も長い期間住んでいた住居がある |
集団 6 | 電力線から300m以内に ≥ 50 % が含まれる地域に最も長い期間住んでいた住居がある |
タイプ | 値 |
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合計 | 14 |
この結果は少ない数に基づいている。
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