この研究は、10-900MHZで稼働する無線周波電磁界発生源の遠方界にばく露した解剖学的人体モデル内のSAR分布および温度上昇分布を、FDTD法および熱伝導方程式の有限差分法による陽的定式化を用いて数値計算した。用いた熱的モデルについては、実験による検証を行った。その結果、全身平均SARと比較した場合、10g平均SARの胴体でのピーク値は25倍、四肢では50倍であった;1g平均にすると、胴体では30-60倍、足首では135倍であった;温度上昇は、人体との共振周波数である40MHzの場合、ICNIRPの入射電力密度最大許容値において、足首の筋肉で0.7度であった、と報告している。