この研究は、電離放射線で誘発されたがんの発症に、50 Hz磁界(MF)ばく露が影響を与えるか否かを調べた。合計150匹のメスのCBA / Sマウスを、3-5週齢で、同数からなる3つのグループに無作為に分けた。1つはケージ対照群、他の2つは、実験開始時に電離放射線ばく露を受けた後、1つは、50 Hzの垂直MF(その強度は、1.3、13、および130 µTの間で規則的に変化)に1日24時間のばく露を1.5年間受けた。他の1つは、擬似ばく露対照群とした。体重、臨床徴候、および食物と水の摂取量を定期的に記録した。血液学的検査、およびすべての病変および主要組織の組織病理学的分析をすべての動物で実施した。その結果、MFばく露は、原発腫瘍の発生率を上昇させなかった;ただし、好塩基性肝病巣(おそらく、前がん的変化の可能性が高い)の発生率は増加した;肝細胞腺腫の発生率は変化しなかった;一方、肝細胞がんの発生率はわずかに上昇したが、有意性はなかった;全体的として、腫瘍プロモーターとしてのMFの役割は支持されないと結論できる、と報告している。
磁界ばく露の前に、線量の合計が4Gy(1週間隔で1.33Gy×3回)の電離放射線を動物に照射した。
磁束密度が20分毎に1.26、12.6、126µTに周期的に変化する50Hz磁界ばく露を24時間/日、1.5年間にわたって実施した。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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偏波 |
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ばく露時間 | continuous, 24 h/day for 1.5 years |
Additional information | vertical MF |
ばく露の発生源/構造 |
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チャンバの詳細 | Plastic Macrolon III cages |
Additional information | The coils placed on a woodend rack, with the vertical distance of 0.26 m between the adjecent coils. The coil at the bottom and the top had 15 turns and three in the middle had 10 turns. |
各種の臓器での新形成の発生は電離放射線によって増加した。
原発性新生物の発生は磁界ばく露によって増加しなかった。但し、好塩基性肝病巣の発生は増加した。本研究の結果により、磁界の腫瘍コ・プロモーション能力についての仮説が支持され得る。
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