研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[マウスの電離放射線誘発性のがんに対する50Hz磁界の影響] med./bio.

Effects of 50 Hz magnetic fields on cancer induced by ionizing radiation in mice

掲載誌: Int J Radiat Biol 2001; 77 (4): 483-495

この研究は、電離放射線誘発されたがんの発症に、50 Hz磁界MFばく露が影響を与えるか否かを調べた。合計150匹のメスのCBA / Sマウスを、3-5週齢で、同数からなる3つのグループに無作為に分けた。1つはケージ対照群、他の2つは、実験開始時に電離放射線ばく露を受けた後、1つは、50 Hzの垂直MF(その強度は、1.3、13、および130 µTの間で規則的に変化)に1日24時間のばく露を1.5年間受けた。他の1つは、擬似ばく露対照群とした。体重、臨床徴候、および食物と水の摂取量を定期的に記録した。血液学的検査、およびすべての病変および主要組織組織病理学的分析をすべての動物で実施した。その結果、MFばく露は、原発腫瘍発生率を上昇させなかった;ただし、好塩基性肝病巣(おそらく、前がん的変化の可能性が高い)の発生率は増加した;肝細胞腺腫発生率は変化しなかった;一方、肝細胞がん発生率はわずかに上昇したが、有意性はなかった;全体的として、腫瘍プロモーターとしてのMFの役割は支持されないと結論できる、と報告している。

研究目的(著者による)

雌のマウスに電離放射線誘発させたがんの発生に対する、磁界ばく露の影響を調査すること。

詳細情報

磁界ばく露の前に、線量の合計が4Gy(1週間隔で1.33Gy×3回)の電離放射線動物照射した。

磁束密度が20分毎に1.26、12.6、126µTに周期的に変化する50Hz磁界ばく露を24時間/日、1.5年間にわたって実施した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous, 24 h/day for 1.5 years

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
偏波
  • linear
ばく露時間 continuous, 24 h/day for 1.5 years
Additional information vertical MF
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • five rectangular coils (1.4 x 1.2 m)
チャンバの詳細 Plastic Macrolon III cages
Additional information The coils placed on a woodend rack, with the vertical distance of 0.26 m between the adjecent coils. The coil at the bottom and the top had 15 turns and three in the middle had 10 turns.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1.26 µT minimum 測定値 - 12.6 µT, and 126 µT
磁束密度 90 nT unspecified 測定値 unspecified Background MF
磁束密度 41 µT minimum 測定値 - 54 µT; Geomagnetic flux density

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

各種の臓器での新形成の発生は電離放射線によって増加した。

原発性新生物の発生は磁界ばく露によって増加しなかった。但し、好塩基性肝病巣の発生は増加した。本研究の結果により、磁界腫瘍コ・プロモーション能力についての仮説が支持され得る。

研究の種別:

研究助成

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