この総説は、無線周波(RF)電磁界とDNAとの相互作用の可能性に焦点を当てている。低周波電磁界の遺伝特性についてのこれまでの総説[McCann他(1993)、Mutat Res 297(a) 61-95;Murphy他(1993年)、Mutat Res 296:221-240;NAS(1997)]は、このタイプの電磁界へのばく露が何らかの遺伝毒性リスクを生じることを示す十分な証拠はないと一様に結論している。一方、RFについては懸念が残っているため[WHO,1993]、RFがヒトの脳腫瘍の発生に関与するかのような主張をした最近の論文[Elmer-Dewit(1993) Time、2月8日号、42頁]など、核酸の完全性に対するRFRの影響を述べた論文が多数公表される事態となっている。このレビューでは、800- 3000 MHzの周波数範囲で、毒性学的直接作用、細胞・分子レベルでのRFへの反応に的を絞って、100件以上の研究の証拠の重み付け評価をした。その結果、RFに直接的な突然変異原性はない;周波数が高く、電力密度が強いRFへのばく露で生物に生じた影響は高温の結果によるものである;ただし、遺伝子の複製、転写に対する間接的影響の僅かの可能性が、比較的限定されたばく露条件下で示されている、と報告している。
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