洋上風力発電の普及に伴い、海洋生態系への潜在的な生態影響が懸念されており、中でも電磁界は重要な影響の一つである。電磁界が様々な海洋生物に及ぼす影響は大きく異なることが知られているが、経済的に重要な魚種への影響についてはほとんど解明されていない。この研究は、大型のフウセイ(Larimichthys crocea)とクロダイ(Acanthopagrus schlegelii)を、0 mT、0.5 mT、1.0 mT、1.5 mT、2.0 mTの磁界強度にばく露した際の毒性差を調べた。その結果、1.5 mTと2.0 mTの環境下で、フウセイとクロダイの遊泳速度が低下し、体内の抗酸化酵素が保護機能を発揮した。2.0 mT下では、クロダイのストレス応答が高まり、両魚種の免疫系が活性化した。2.0 mT以下の磁界強度に対しては、フウセイとクロダイの方がより敏感であった。磁界は生物の栄養吸収能力に有意な影響を与えないようである。数日間の回復期間後、影響を受けた全ての指標は可逆性を示した、と著者らは報告している。
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